ドラマのキャスト俳優で、同時期に複数の作品に出演したり、連続で主演を務めるなどのことを『キャストかぶり』とも言いますが、なぜキャストかぶりが起きるのでしょうか?
今回はキャストかぶりが起きる理由や背景、メリット・デメリットについてまとめていきます。
ドラマのキャストかぶりとは
『キャストかぶり』とは、同時期に複数の作品に出演していたり、クールごとに作品が新しくなるのに同じ人が2クール連続で出演することを指しています。
例えば、ある俳優さんが1クールの中でドラマAにもドラマBにも出演していたり、春ドラマと夏ドラマに連続出演していた場合に『キャストかぶり』と言われます。
このように短期間で同じ俳優さん、女優さんが複数の作品に起用・出演される理由については次のようなことが考えられます。
ドラマのキャストかぶりはなぜ起きる?
キャストかぶりが起きる理由としては、大きく3つの理由が考えられます。
ドラマのキャストかぶりが起きる理由
- 制作側の意図
- 俳優や芸能事務所の意図
- 俳優のトレンド
キャストかぶりについては、作品によって関係者が異なるため具体的にキャスト被りの説明が行われるケースがありません。
上記の3つについて、キャスト被りが考えられる理由をまとめました。
制作側の意図
まず考えられるのは制作側の意図や都合です。
制作側の意図や都合として以下のことが挙げられます。
- 原作のキャラクターに似ている
- 制作側として俳優とスケジュール調整がしやすい
- ギャラ交渉がしやすい
原作があるドラマであれば、視聴者が必ず注目するところですよね。
メインキャラクターが原作のキャラクターやイメージと全く違う俳優さんが演じることになると視聴者が注目しない。
つまり、視聴者に見られないドラマになる可能性がありますよね。
実際にドラマプロデューサーがイメージにピッタリな有名女優さんにどうしても主演をしてもらいたくて、2年スケジュールを調整できるまで待ったケースもあります。
このようにスケジュールも重要で、俳優さんのお仕事もかなり先まで入っていることが多いです。
例えば、あるドラマでお仕事を終えると制作陣と俳優事務所の間に一定の関係値が生まれ、全くの初めての相手よりも相談やキャスティングしやすいですよね。
状況次第では、突然のキャスト都合のキャンセルもありますし、撮影や放送までに合わせないといけないとなると出演スケジュールの確保だけでなく出演の報酬(ギャラ)交渉も重要です。
スケジュールもギャラも重要ですが、やはり制作側の一番の理由はドラマの作品イメージにピッタリの俳優さんをキャスティングからではないかと考えられます。
俳優や芸能事務所の意図
次に俳優や芸能事務所の意図として、2つ考えられます。
- 事務所として推していきたい
- 出演を増やし演技の実力を高めたい
いわゆる俳優さんや所属事務所からの制作側へ交渉していることも考えられます。
事務所としては、やはり今後の主力になりえる俳優さんがいれば、出演作品を増やしたいと考えますよね。
また事務所が推していきたいだけでなく、俳優さん本人の意思で出演の機会を増やし、知名度や演技の実力を高めたいと考える人もいらっしゃいます。
実際に制作発表会などでも『この作品を通じて新しい役柄に挑戦した』と答えているのを私もテレビで見たことがあります。
このように発言されるということは、俳優さんとして演技の幅を広げたいと考えて、ドラマのキャストに立候補したことも考えられますよね。
俳優のトレンド
少し似ているところもありますが、視聴者層のトレンドも考えられます。
- 前作の出演でSNSの反応が良かった
- SNSのフォロワーが多い、増えた
制作側と事務所・俳優側の融合のような場合ですが、やはり重要なのは視聴率の高い注目されるドラマです。
もちろん脚本内容も重要ではありますが、今までもアイドルを主演俳優に起用していることも多くありますよね。
アイドルであればファンは間違いなく注目しますし、ドラマの中でもアイドル役が必要になることもあります。
また『最近○○さんがテレビによく出てるけどドラマに出るなら絶対見る』という声もSNSに上がっているので、実際にドラマ出演が決まれば視聴者は手堅く増える可能性がありますよね。
ドラマのキャストかぶりのメリット
ドラマのキャストかぶりのメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
ドラマのキャストかぶりのメリット
- 制作側の負担低減
- 俳優の知名度向上
- 視聴者の満足度向上
前述のように、俳優さんとのスケジュールやギャラ交渉がスムーズにいけば制作側としても負担が軽減されますよね。
また連続で出演すれば多くの人の目に触れるので、俳優さんの知名度も上がります。
さらに俳優さんの知名度が増えればファンも増えていくので、視聴者も推しが見れることで満足度が上がります。
満足度が上がれば作品としても有名になりますし、視聴率の高さやSNSでトレンド入りするなど、制作側・俳優&事務所・視聴者の全員にメリットがあるとも言えるかもしれませんね。
ドラマのキャストかぶりのデメリット
ドラマのキャストかぶりのデメリットとしては3つがあるかもしれません。
ドラマのキャストかぶりのデメリット
- 同じ俳優ばかりでマンネリ化
- 俳優さんの多忙による負担増加
- 視聴者の混乱
メリットでお伝えしたように好循環があるように感じたキャストかぶりですが、ずっと同じ俳優さんばかりだと違う人の演技も見てみたくなりますよね。
大好物でも毎日毎食食べられないように、同じものばかりというのはキツイかもしれません。
また俳優さんはキャラクターに応じた所作だけでなく、セリフも覚えないといけないので、短期間に何作品も出演が決まるとかなり負担が大きいはず。
マルチタスクな人であれば、器用にこなせるかもしれませんが、私だったらセリフ覚えも絶対できない自身があります。。。
そして、実際にドラマのキャストかぶりが原因で視聴者が混乱したケースもあります。
今期の春ドラマでは似たドラマや出演者がかぶる事態が発生中だ。記憶喪失系が5本、裁判がからむドラマが5本。さらに、同時期放送の複数の作品に出演している俳優も多く、ネット上ではちょっとしたパニックが広がっている。
引用:中日新聞
確かに似たジャンルのドラマに似た設定のキャラを同じ人が演じていると、どれがどの作品の話が分かりにくくなる可能性もありますね。
まとめ
ドラマで同じ俳優が複数の作品に出演したり、連続して主演を務めることを『キャストかぶり』と言います。
キャストかぶりが起きる理由としてはメリットもデメリットもありますが、制作側や俳優さんと所属事務所の事情が絡み合っているかもしれませんね。
ファンとしては連続出演が決まると嬉しいことですが、『好きでも嫌いでもない』『嫌い』という視聴者からすれば、ドラマから離れてしまう原因を作ってしまうかもしれません。
キャストを通じて、作品の面白さや素晴らしさを感じるので、俳優さんの負担にならなければ素晴らしい演技は連続で見たいですね!
今後もキャストかぶりは起きる可能性がありますが、決してデメリットの部分だけでなくメリットもあるので、原作や作品にピッタリなキャストを配役してほしいところです!
⇒ドラマキャストの順番はどうやって決まる?クレジットのトメ役はどういう人?
⇒ドラマキャストは誰が決める?実はキャスティングの決め方は決まってない?
⇒友情出演と特別出演の4つの違いとは?実はギャラ(出演料)にも違いがある?
⇒テレビ【裏被り】ダメな理由はなぜ?裏かぶりの対策や調整方法は?