2024年8月時点では『ブラックペアン』や『伝説の頭(ヘッド) 翔』がドラマ放送されていて、1人の俳優が別の人として2役演じる一人二役の作品は過去にもありますよね。
この一人二役のドラマや映画などの撮影方法はどうやっているのでしょうか?
1つの画面に同じ人が同時に映るシーンもありますが、編集や合成しているとは思いますが、どうやって撮影しているのかまとめていきます。
一人二役の撮影方法はどうやっている?
一人二役の撮影方法は以下のような撮影方法があります。
一人二役の撮影方法
- 代役
- 合成(クロマキー技術)
- 分割撮影(スプリット・スクリーン)
- 顔の入れ替え
それぞれの特徴やどのようなシーンの時に、どの撮影方法が使用されているのかメリットやデメリットも解説します!
代役
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— 金曜ナイトドラマ「伝説の頭(ヘッド) 翔」 (@densetsu_sho) July 14, 2024
まずは俳優さんと髪型や顔、体型、身長などの雰囲気が似ている代役の俳優さんでカメラワークを活用して撮影する方法です。
この撮影方法は上記の1分17秒~1分24秒辺りのように、2人の顔が同時に画面内に映りこまないシーンで使用されます。
このようなシーンでは顔が映る役は俳優さんが演じ、顔が見えない後ろ姿や後頭部が映るシーンでは体格や髪型が似ている代役の俳優さんやエキストラさん、スタッフさんが演じることがあります。
合成ではないので、本当に同じ人がいるような自然なシーンに見えるメリットがあります。
一番のメリットは動きのあるシーンも撮影することができる点です。
俳優さんの顔が見えていて、代役の俳優さんは後ろ姿の状態を保てば、カメラアングルがゆっくり変わるような背景に動きのあるシーンや、握手などの体を寄せたシーンも撮影することができます。
この撮影方法であれば、動きが出せるので臨場感のあるシーンの撮影が可能です。
デメリットでいえば、似ている代役の俳優さんが必要な点かと思います。
しかし、大体の雰囲気が俳優さんに似ている代役の俳優さんであれば、正直以下の対応で撮影することができます。
- 髪型:カツラ
- 身長:カメラアングルやシークレットブーツ
- 体型:体のラインが分かりにくい服装、服の下に詰め物
- 傷やホクロ:特殊メイク
このようにすれば、大体の雰囲気だけで俳優さんに近づけることができますね。
合成(クロマキー技術)
高橋文哉が“別人級”の演じ分け!気弱なガチオタ&カリスマヤンキーの振り幅に驚愕<伝説の頭 翔> #テレ朝POSThttps://t.co/ZaZDm5vqxF
— テレ朝POST (@post_tvasahi) July 20, 2024
次に合成(クロマキー技術)を活用して、画面内で二役演じている俳優さんを重ねる撮影方法です。
この撮影方法では、まずAの役だけで撮影し後からBの役で撮影した別の映像を合成します。
合成する際にはクロマキー技術という方法で編集することができます。
例えばこの画像の緑色の部分を透明化すれば、バナナを持った手だけを別の映像にスタンプのように貼りつけることができます。
スマホのアプリでも背景透明化アプリなどもあるので、動画編集しない人にも馴染みがあるかと思います。
この撮影方法であれば、前述のような雰囲気が似た代役俳優さんの準備が不要なので、俳優さんの演技をそのまま反映させることができるメリットがあります。
デメリットとしては、合成する映像に対して編集や合成技術面では以下の注意が必要な点です。
- 映像の明るさ
- 照明の向き、太陽の方向、影の方向
- 映像のピント
- 動きやセリフの間
これらを同じにしないと、明らかに別映像を貼りつけたように見えてしまい、クオリティが低く見えます。
さらに俳優さんも握手などの体が触れるようなシーンの撮影では、目の前に相手役がいない状態で演技をしなければなりません。
目線や手の動きなど、通常とは違ったパントマイムのような演技力が必要になります。
分割撮影(スプリット・スクリーン)
次にカメラアングルを固定して同じ背景になるように撮影し、それぞれの映像を分割して1つの画面にする撮影方法です。
上記画像の場合は半分に分割して繋ぎ合わせることで、同じ場所に俳優さんが2人いるようにすることができます。
この撮影方法であれば、背景を切り取る編集技術が不要になり、カメラアングルが同じなのでピントや光の方向も同じにしやすいです。
また多少身振り手振り、椅子から立ち上がるなどの動きがあるシーンでも、人や影を切り取っていないので自然な見え方にすることができます。
しかし、デメリットとしてはカメラアングルは固定必須な点です。
前述のように目の前に相手役がいない演技も必要となりますし、2人がぶつかるようなシーンはこの方法では撮影が難しいですね。
顔の入れ替え
最後に俳優さんと代役AIにより、顔の部分だけ入れ替える方法です。
前述の代役の俳優さんと一緒に撮影する方法は一緒ですが、代役の俳優さんは後ろ姿などではなく、顔を見えるようなシーンを撮影します。
そして、撮影後に顔だけ入れ替える編集をします。
最近ではAIも発達していますので、ディープフェイクと呼ばれる方法もあり、本物そっくりな俳優さんの顔の表情や口の動きを再現させる方法もあります。
この方法であれば、お互いの間の取り方も分かりやすく俳優さんが演技がしやすいメリットがあります。
しかし、デメリットとしてCGやAIなどのソフトや使用する技術が必要になる点が挙げられます。
こちらも合成と同じく、貼り付ける映像のクオリティが求められるので、明らかに貼り付けたような合成バレバレになってしまうと、作品への没入感も薄れてしまいます。
まとめ
一人二役の撮影方法は以下のような撮影方法があります。
一人二役の撮影方法
- 代役
- 合成(クロマキー技術)
- 分割撮影(スプリット・スクリーン)
- 顔の入れ替え
実際の撮影方法は分かりませんが、より自然に見える撮影方法としては後ろ姿など顔が見えない状態の代役の俳優さんと一緒に撮影していく方法が多いのではと感じます。
個人的にカメラワークや後ろ姿で、顔が同時に見えないシーンが多いと感じたことがあります。
シーンに応じてどうしても同じ画面に2人登場させる必要がある場合には、分割撮影が活用され、その次の方法として合成や顔の入れ替えが編集時に行われているのではと思います!